前回は退職した際の雇用保険の内、広域求職活動費、短期訓練受講費、求職活動関係役務利用費について注意点や手続きについてお伝えしてきました。今回も雇用保険の内、退職後から再就職までの間に活用できる制度について注意点等を詳しくお伝えしていきます。
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退職後~再就職までの間に活用できる給付の種類について
雇用保険では、前回もお伝えしました通り、以下の退職後~再就職までの期間で活用できる給付の種類があります。
- 求職者給付:技能習得手当、寄宿手当
- 就職促進給付:移転費、広域求職活動費、短期訓練受講費、求職活動関係役務利用費
- 教育訓練給付:一般教育訓練給付金、専門実践教育訓練給付金、特定一般教育訓練給付金、教育訓練支援給付金
※)教育訓練給付は退職していなくても活用出来ます。
今回はこれらの内、専門実践教育訓練給付金について、解説していきますね。
専門実践教育訓練給付金
支給対象の教育訓練
厚生労働大臣の指定する教育訓練が支給対象となります。
受給額
①教育訓練施設に支払った教育訓練経費の50%に相当する額。
上限額:1年間で40万円、最大3年間の受給期間3年で120万円。
下限額:4千円を超えない場合は支給されない。
②以下の要件を全て満たした場合は、①の額に加え教育訓練経費の20%に相当する額を追加して支給されます。
- 専門実践教育訓練の受講を修了した後にあらかじめ定められた資格等を取得した。
- 受講修了日の翌日から1年以内に被保険者として雇用された方又はすでに雇用されている方。
①と②を合わせた上限額:1年間で56万円、2年間で112万円、3年間で168万円。
①と②を合わせた下限額:4千円を超えない場合は支給されない。
10年の間に複数回専門実践教育訓練を受講する場合:最初に専門実践教育訓練を受講開始した日を起点として、10年を経過するまでの間に受講した専門実践教育訓練給付金の合計額は、168万円まで。
※)法令上最短4年の専門実践教育訓練を受講してい場合:3年目受講終了時に、専門実践教育訓練給付の10年間における支給上限額168万円に、4年目受講相当分として上限56万円を上乗せ出来る(4年間で最大224万円)。
➡平成29年12月31日以前に受講開始した専門実践教育訓練の支給額は、教育訓練経費の40%(追加給付20%を合わせた場合60%)となり、また、支給の上限額は年間32万円(追加給付を合わせた場合、年間48万円)となる。
受給の要件
雇用保険の被保険者(一般被保険者及び高年齢被保険者)又は被保険者であった方(離職者)の内、以下の要件を満たす方が対象です。
- 受講開始日現在で雇用保険の支給要件期間が3年以上(初めて支給を受けようとする方については、当分の間、1年以上)あること
- 受講開始日時点で被保険者でない方は、被保険者資格を喪失した日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内(適用対象期間の延長が行われた場合は最大20年以内)であること
- 前回の教育訓練給付金受給から今回受講開始日前までに3年以上経過していること
受給の手続き
受給するためには受講前と受講後のそれぞれの手続きが必要です。
①受講前の手続
住居所を管轄するハローワークに、以下の書類を提出します。
- 教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票
- 上記のジョブ・カード(訓練前キャリアコンサルティングでの発行から1年以内のもの)
- 本人・住居所確認書類及び個人番号(マイナンバー)確認書類
- 写真2枚(最近の写真、正面上半身、縦3.0cm×横2.5cm) ※ 本手続及びこれに続き今後行う支給申請ごとに個人番号カード(マイナンバーカード)を提示すれば省略可能。
- 払渡希望金融機関の通帳またはキャッシュカード
- 専門実践教育訓練給付及び特定一般教育訓練給付再受給時報告(過去に専門実践教育訓練給付及び特定一般教育訓練給付を受給したことがある場合には必要。)
手続き期限:受講開始日の1か月前まで。
②受講後の手続
住居所を管轄するハローワークに、以下の書類を提出します。
- 教育訓練給付金の受給資格者証(教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格者証)
- 教育訓練給付金支給申請書
- 受講証明書又は専門実践教育訓練修了証明書
- 領収書
- 返還金明細書(「領収書」、「クレジット契約証明書」が発行された後で教育訓練経費の一部が教育訓練施設から本人に対して、還付された(される)場合に必要)
- 資格取得等したことにより支給申請する場合は、資格取得等を証明する書類
- 専門実践教育訓練給付最終受給時報告(専門実践教育訓練に係る最後の支給単位期間について教育訓練給付の支給を受けようとする場合に必要)
- 専門実践教育訓練給付追加給付申請時報告(専門実践教育訓練修了後、資格取得等したことにより支給申請した場合に必要)
手続きの期限
- 専門実践教育訓練を受講中は、受講開始日から6か月ごとの期間(支給単位期間)の末日の翌日から起算して1か月以内。
- 専門実践教育訓練を受講修了時:受講修了日の翌日から起算して1か月以内。
- 専門実践教育訓練受講修了後、受講した専門実践教育訓練が目標としている資格取得等し、かつ修了した日の翌日から1年以内に被保険者として雇用された場合:雇用日の翌日から起算して1か月以内
被保険者として雇用されている場合:専門実践教育訓練を修了し、資格取得等した日の翌日から1か月以内。
まとめ
専門実践教育訓練給付金の簡単まとめ
- 厚生労働大臣の指定する教育訓練が支給対象。
- 退職した翌日から1年以内に受講開始すること。
- 支給額は費用の50%で上限40万円まで。
- 受講後に資格等を取得し、1年以内に被保険者になれば支給額が上乗せされる。
- 手続きはハローワークで受講前と受講後に行う必要がある。

以上、雇用保険の再就職までに活用出来る制度の手続きについてでした。次回も引き続き、雇用保険の退職後でも活用できる制度について解説していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。