雇用保険

退職後の社会保険の手続きについて~雇用保険 求職活動時の手当~

2020年9月26日

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前回は退職した際の雇用保険の内、退職後から再就職までの間に活用できる制度について注意点や手続きについてお伝えしてきました。今回も雇用保険の内、退職後から再就職までの間に活用できる制度について注意点等を詳しくお伝えしていきます。

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退職後~再就職までの間に活用できる給付の種類について

雇用保険では、前回もお伝えしました通り、以下の退職後~再就職までの期間で活用できる給付の種類があります。

  • 求職者給付:技能習得手当、寄宿手当
  • 就職促進給付:移転費、広域求職活動費、短期訓練受講費、求職活動関係役務利用費
  • 教育訓練給付:一般教育訓練給付金、専門実践教育訓練給付金、特定一般教育訓練給付金、教育訓練支援給付金

※)教育訓練給付は退職していなくても活用出来ます。

今回はこれらの内、広域求職活動費、短期訓練受講費、求職活動関係役務利用費について、それぞれの手当について解説していきますね。

広域求職活動費

受給資格者等がハローワークの紹介にて遠隔地にある求人事業所を訪問して求人者と面接等をした場合支払われるもので、交通費及び宿泊料が支給される制度です。

受給額

交通費:住居所を管轄するハローワーク~訪問する求人事業所の所在地を管轄するハローワーク間の順路について、通常の経路及び方法により、移転費の場合に応じて計算した額。

宿泊費:交通費計算の基礎となる距離と、訪問する事業所の数に応じて定められた額。

受給の要件

  1. 雇用保険の受給資格者等であること。
  2. 待期期間終了後に広域求職活動を開始したこと。
  3. ハローワークに紹介された求人が、その受給資格者の方に適当と認められる管轄区域外に所在する事業所のもので、その事業所の常用求人であること。
  4. 住居所を管轄するハローワーク~訪問する求人事業所の所在地を管轄するハローワーク間の往復距離が、交通費計算の基礎となる鉄道等の距離で200キロメートル以上あること。
  5. 広域求職活動に要する費用が、訪問先の事業所の事業主から支給されないこと、又はその支給額が広域求職活動費の額に満たないこと。

受給の手続き

手続きの期限:広域求職活動を終了した日の翌日から10日以内。

手続きの方法:住居所を管轄するハローワークに、以下の書類を提出します。

  1. 求職活動支援費(広域求職活動費)支給申請書
  2. 受給資格者証
  3. 広域求職活動指示書
  4. 広域求職活動面接等訪問証明書

短期訓練受講費

受給資格者等が平成29年1月以降に、ハローワークの職業指導により再就職のために必要な職業に関する教育訓練を受け、当該訓練を修了した場合に、本人が訓練受講のために支払った教育訓練経費の一部が支給される制度です。

受給額

本人が訓練受講のために支払った教育訓練経費の2割が支給されます。

上限:10万円  ※)下限はなし

受給の要件

  1. 教育訓練を受講する前に、その訓練を受けるためのハローワークの職業指導を受けていること。
  2. 受講指導を受ける日が、受給資格者等であること。
  3. 待期期間終了後に教育訓練の受講を開始したこと。

教育訓練にも支給対象となる要件があります。

  1.  一般教育訓練給付の対象講座を実施している教育訓練実施者が実施していること。
  2. 公的職業資格の取得を目標とする1か月未満の教育訓練であること。
  3. 一般教育訓練給付の対象講座として指定されていないこと。(ただし、一般教育訓練給付の講座指定を受けている場合であっても、一般教育訓練給付の支給要件を満たさない者が受講した場合は対象となります。)
  4. 教育訓練の開始時期、内容、対象者、目標及び修了基準が明確であり、教育訓練実施者が、その訓練について適切に受講されたことを確認し修了させるものであること。

受給の手続き

受講前と受講後の両方で手続きが必要となります。

受講前の手続き

  1. 受給資格があることを確認するため、住居所を管轄するハローワークの雇用保険窓口に、教育訓練実施者の証明を受けた「短期訓練受講費支給要件照会票」を提出する。
  2. から交付された「短期訓練受講費支給要件回答書」に『支給要件を満たしています。』と記載されていた場合のみ3.の受講指導を受けることが出来る。
  3. 住居所を管轄するハローワークの職業相談窓口に「短期訓練受講費支給要件回答書」を持参し、受講指導を受ける。ハローワークでは、教育訓練の受講が再就職のために必要かを判定した上で、「短期訓練受講指導書」を交付する。

受講後の手続き

提出期限:教育訓練の修了日の翌日から1か月以内

手続き:住居所を管轄するハローワークに「求職活動支援費(短期訓練受講費)支給申請書」に以下の必要書類を添えて提出する。

  1. 雇用保険受給資格者証等
  2.  教育訓練実施者が発行する「教育訓練修了証明書(短期訓練受講費)」
  3. 教育訓練実施者が発行する教育訓練経費に係る「領収書」
  4. 教育訓練経費等確認書(短期訓練受講費)
  5. 教育訓練実施者が発行する「返還金明細書(短期訓練受講費)」
    (領収書を発行後、受講料の値引き等により、教育訓練経費の一部が返還された場合のみ。)
  6. 受講指導を行ったハローワークが発行する「短期訓練受講指導書」

求職活動関係役務利用費

受給資格者等が平成29年1月以降に求人者との面接等をしたり、教育訓練を受講するため、子について保育等サービスを利用した場合に、保育等サービスの利用のために本人が負担した費用の一部が支給される制度です。

受給額

支給額:保育等サービス利用のために本人が負担した費用の80%が支給されます。

上限額:1日あたり6,400円

保育等サービス利用費の算出方法

日払いの場合:面接等、教育訓練を受けた日に要した利用費を1日単位で申請

月額の場合:月額費用÷その月の暦日数×面接等や教育訓練を受けた日数で算出した額を申請

支給対象となる上限日数:求人者と面接等をした日 ⇒ 『15日』、対象訓練を受講した日 ⇒ 『60日』

受給の要件

  • 保育等サービスを利用した日において受給資格者等であること。
  • 待期期間終了後に保育等サービスを利用したこと。

    ※) 待期期間終了前に保育等サービスの利用を開始した場合:待期の期間が経過した後の保育等サービスの利用分のみ支給対象。

  • 対象となる面接等、教育訓練求人者との面接のほか、筆記試験の受験、ハローワーク、許可・届出のある職業紹介事業者等が行う職業相談、職業紹介等、公的機関等が行う求職活動に関する指導、個別相談が可能な企業説明会等、失業認定における求職活動に該当する活動であること。ハローワークの指示・推薦により公共職業訓練等を受講する場合、就職支援計画に基づき求職者支援訓練を受講する場合、ハローワークの指導により各種養成施設に入校する場合、教育訓練給付の対象訓練及び短期訓練受講費の対象訓練等を受講している場合であること。
  • 対象となる子(年齢制限なし)法律上の親子関係に基づく子(実子の他養子も含む。)、特別養子縁組を成立させるために監護を受けている者、養子縁組里親に委託されている者、養育里親に委託されている者

受給の手続き

失業の認定日に住居所を管轄するハローワークに「求職活動支援費(求職活動関係役務利用費)支給申請書」に、以下の必要書類を添えて提出する。ただし、ハローワークの指示により公共職業訓練等を受講する受給資格者(証明認定を希望する方に限ります。)は、失業の認定の対象となる月分について、翌月中に提出する必要がある。

必要書類

  1. 受給資格者証等
  2. 保育等サービス事業者が発行する保育等サービス費用に係る領収書
  3. 保育等サービス事業者が発行する「保育等サービス利用証明書(求職活動関係役務利用費)」
  4. 保育等サービス事業者が発行する「返還金明細書」(領収書を発行後、利用料の値引き等により、保育等サービス利用費の一部が返還された場合のみ。)
  5. 事業主の証明を受けた「面接等求職活動証明書(求職活動関係役務利用費) 」等の求人者との面接等を行ったことを証明する書類(求人者と面接等を行った場合のみ。)
  6. 訓練実施者の証明を受けた「訓練等受講証明書(求職活動関係役務利用費)」等の訓練を受講したことを証明する書類(教育訓練を受講した場合のみ。)
  7. 対象となる子の氏名、本人との続柄を確認できる住民票記載事項証明書等
  8. 保育等サービス利用費について、地方公共団体等の第3者から補助を受けた場合は、その額を証明する書類
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まとめ

雇用保険の中には、これらの求職活動の自己負担を軽減してくれるものもあります。出来るだけ制度を活用して再就職までの出費を抑えるようにしましょう!

以上、雇用保険の再就職までに活用出来る制度の手続きについてでした。次回も引き続き、雇用保険の退職後でも活用できる制度について解説していきたいと思いますので、よろしくお願いします。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。





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